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『ロックよ、静かに流れよ』

『ロックよ、静かに流れよ』(ロックよ、しずかにながれよ、英題:Rock Requiem)は、1988年2月20日に劇場公開された日本映画。 珠玉の名作として高い評価を得ている。 実話を基にした作品で、主演は男闘呼組の4名。 監督は長崎俊一。 日本映画ペンクラブ推薦作品。

 
     




概要

ロックが好きな高校生たちの友情を瑞々しく描いた青春群像。
映画のキャッチコピーは、「ツッパリは青春のボディーランゲージ!」、「淋しい時、楽しい時、俺たちにはダチ・Friendsがいて、ROCKがあった」。
吉岡紗千子による実話の手記の映画化で、脚本は長崎俊一と北原陽一が共同で執筆。 監督も長崎俊一、撮影は杉村博章が担当した。



作品データ

  • 配給 : 東宝
  • 公開日 : 1988年2月20日
  • 上映時間 : 100分
  • 製作国 : 日本
  • ジャンル : ドラマ、青春
  • 言語 : 日本語

スタッフ

  • 監督 : 長崎俊一
  • 製作 : ジャニー喜多川ジャニーズ事務所)、増田久雄 (プルミエ・インターナショナル)
  • プロデューサー : 佐倉寛二郎
  • 原作 : 吉岡紗千子 『ロックよ、静かに流れよ』(1984年7月、こみち書房)
  • 脚本 : 長崎俊一、北原陽一
  • 助監督 : 崎田憲一、小林のぞみ
  • 音楽 : 義野裕明
  • 音楽プロデューサー : 蛎崎広柾
  • 音響効果 : 帆刈幸雄、円雄二
  • 録音 : 宮内一男
  • 撮影 : 杉村博章
  • 美術 : 尾関龍生
  • 録音 : 弦巻裕
  • レコーディスト : 中野明
  • スチール : 奥川彰
  • 照明 : 佐藤勝彦
  • 編集 : 大島ともよ
  • 制作担当 : 磯村達也
  • 製作デスク : 飯島三智、綾井てるみ
  • 俳優マネージメント : 藤河謙二
  • 視覚効果 : 白組
  • カースタント : タケシレーシング
  • 楽曲提供 : ジャニーズ出版
  • MA : アオイスタジオ
  • 現像 : IMAGICA
  • プロデュース : 佐倉寛二郎
  • 衣装協力 : PERSON'S、PERSON'S FOR MEN、PERSON'S CLUB
  • 製作協力 : 東広インターナショナル、南蛮殿


主なキャスト

  • 男闘呼組 (ロックバンド「MIDNIGHT ANGEL」役)
    • 岡本健一 (片岡俊介役。愛称:シュンスケ。担当楽器:リズムギター 〔YAMAHA SG-1000・白〕)
    • 成田昭次 
        (大峰武役。愛称:ミネ。「ミネ」という表記は誤り。担当楽器:リードギター 〔YAMAHA SESSIONU 503P・白〕。愛用単車:SUZUKI GS450 赤 〔1979年式〕。元・野球少年)
    • 高橋一也 (戸田務役。愛称:トンダ。担当楽器:ベースギター。リードボーカル)
    • 前田耕陽 (友成拓也役。愛称:トモ。担当楽器:ドラム)

  • あべ静江 (俊介の母・片岡沙代役)
  • 磯崎亜紀子 (俊介の妹・片岡みどり役)
  • 内田あかり (ミネさの母・大峰和子役)
  • 渡辺正行 (弁当屋「ほっかほっか亭」の店長・秋山役。高倉健に憧れている)
  • 大寶智子 (ミネさに恋する女子高生・由美役)
  • 魁三太郎 (レコード店の店長・島崎役)
  • 内藤剛志 (担任教師・野村役)
  • 清水幹雄 (教師・大川役)
  • 諏訪太朗 (教師・石田役)
  • 鈴木瑞穂 (校長役)
  • 寺尾聰 (新聞記者・磯山役)
  • 光GENJI (友情出演。ローラースケートをする少年たち役。エキストラ)
  • 寺島進 (他校の不良役)
  • 青木和代 (弁当屋「ほっかほっか亭」の店員役)
  • 木村翠 (トモの母親役)
  • The Sham (劇中バンド「CRIME」役)


ストーリー

両親の離婚がきっかけで、母・妹と共に東京から長野県松本市へと引っ越してきた高校生の俊介。 転校早々、“ツッパリ”のミネさ、トンダの2人から喧嘩を売られるが、それもいつしか友情へと変わっていった。 そこへ仲間のトモを加えた4人はロックという共通の夢で強く結び付いていく。 やがて4人はバンドを結成。 楽器を買うためにバイトを続けるも、なかなか金が貯まらない。 そんなある日、新聞広告で「昭和62年度 郷土提言賞」の懸賞論文の募集を知った彼らは、賞金目当てに行動を開始する。



挿入歌

男闘呼組が歌う主題歌や挿入歌は、銀座1丁目にある「音響ハウス」のSTUDIO NO.2でレコーディングされた。

  • 主題歌 : 男闘呼組 『CROSSIN' HEART』 (1987年)
      映画のエンディングロールやパンフレットでのタイトル表記は『CROSSIN' HEART』だったが、1988年にポニーキャニオンの協力を得て、『ロックよ、静かに流れよ −CROSSIN' HEART−』のタイトルでプロモーション用の非売品EP(品番:PR-118)が制作された。 B面曲は映画挿入歌の『LONELY...』。

      そして1988年8月24日に男闘呼組のデビューシングル『DAYBREAK』のカップリング曲として、『ロックよ静かに流れよ −Crossin' Heart−』のタイトルで発売された。
      なお、レコード化された音源では、1番のAメロ・Bメロが高橋、2番のAメロ・Bメロが岡本、サビは全て成田というボーカル構成だが、映画の本篇では、1番のBメロを高橋ではなく岡本が歌っている。 これは、曲の長さ的に映画の中では1番だけしか流すことが出来なかったため、3人の歌声を平等に聴かせるために特別に取られた処置だった (岡本以外のボーカルはレコード化されたものと全く同じ)。 この映画バージョン(岡本Bメロバージョン)の音源『CROSSIN' HEART』は一切レコード化されておらず、映画の中でしか聴くことが出来ない。
  • 挿入歌 : 男闘呼組 『ROLLIN' IN THE DARK』、 男闘呼組 『ルート・17セブンティーン』、 光GENJI 『ガラスの十代』
  • 挿入歌 & エンディングテーマ : 男闘呼組 『LONELY...』


主なロケ地

注 : 映画内容のネタバレも記載。
  • 長野県松本市内

    • JR松本駅前 

    • 四柱神社よはしらじんじゃ、および、神社の正面入り口の御幸橋みゆきばし (松本市大手3-3-20。いずれも他校の不良との喧嘩シーンで使用)

    • 幸橋さいわいばし 
        四柱神社横の女鳥羽川めとばがわに架かる橋。 ミネさが他校の不良との喧嘩に参戦する際にこの橋を渡って来たという設定で、少しだけ画面に映る。橋の欄干の色は後に塗り替えられた。

    • 中の橋なかのはし 
        四柱神社横の女鳥羽川に架かる橋。 俊介が他校の不良から逃げるシーンで使用。橋の欄干の色は後に塗り替えられた。 なお、橋の先に映っているうどん店「田内屋」は、2016年5月31日に約61年間の営業を終えて閉店。 同年、「信州松本 立喰いそば あかほり」に。 2019年9月8日からはラーメン店「鴨麺 あら井」となった。

    • 縄手通なわてどおり商店街 (主人公4人が他校の不良から逃げるシーンで使用)

    • 蔵小路くらこうじ 
        1963年に開店した土蔵造りの割烹・天ぷら・寿司の日本料理店「蔵・鮨栄くら / すしえい」(松本市中央2-2-15。地図上では中央2-2-14と常に誤記載)の入口前の細い路地の通称。 俊介が他校の不良との喧嘩の後に逃げ込んだ用水路と「なまこ壁」の路地のシーンで使用。
        「蔵・鮨栄」の建物として使われている3階建ての土蔵は、昭和初期に海産物問屋の貯蔵庫として利用されていたもの。
        1998年に周辺が区画整理され、蔵小路は道幅が拡張されて車道となった。 その際、「蔵・鮨栄」は建物ごと10メートル南西側に曳家工法で移築されたが、店内は狭くなった。 移築前の店の入り口に流れていた象徴的な水路も、移築後の入り口に新たに作り直され、これら全ての工事を終えるのに述べ10ヶ月以上を要した。 移築後の新しい住所表記は、松本市中央1-10-22。 そして「蔵・鮨栄」の旧住所(中央2-2-15)は、松本を代表する老舗和洋菓子店「開運堂 本店」の新住所となった。
        なお、「蔵・鮨栄」や蔵小路がかつては「中町通り」にあったとする一部ネット情報は誤り。

        在りし日の蔵小路


        曳家工事の様子

    • 六九通ろっくどお (別名:六九町ろっくまち商店街
        主人公4人が地下の音楽スタジオ「テイク・スタジオ」に入るシーンで使用したアーケード商店街。 その後、アーケードは2001年の再開発によって撤去された。

    • テイク・スタジオ 
        松本市大手2-2-12 ファッションプラザポニー B1F (六九通り沿い)。 主人公4人がバンドの練習をしていた音楽スタジオ。 ビルは後に建て替えられ、2004年4月より長野銀行大名町支店が入る巨大な「ながぎん松本センタービル」となり、住所表記も大手2-2-16に変更された。

    • 薄川すすきがわ 見晴橋みはらしばし近辺 の河原 
      1. 私立松商学園高等学校(松本市あがた3-6-1)の目の前の位置の河原。 俊介とミネさが喧嘩の後に2人で歩くシーンと、俊介・トンダ・トモの3人が明け方に歩くシーンで使われた。 なお、松商学園高校はジャPAニーズトミーの母校。
      2. 松本市筑摩4-8近辺の河原。 主人公4人が語り合いながらレコードを川に投げるシーンで使われた。 なお、見晴橋は1991年12月に竣工されたもので、当映画の撮影時には存在していない。 また、薄川は長瀬智也主演のテレビドラマ『白線流し』で白線を流すシーンに使われたことでも知られている。

    • 梓橋あずさはし 
        松本市と安曇野市の境に流れる梓川に架かる橋。 ミネさが俊介とバイクで走るシーンで使用。 橋の欄干の色は後に塗り替えられた。

    • CAFE AND BAR HEART 
        松本市中央2-10-5-2F。 外から見て2階の左側の窓際の席で、俊介とミネさがアメフトの対戦テレビゲームに興じていたカフェバー。 同地は元々、「時間割」という名の喫茶店だったが、1985年〜1986年の間に閉店してHEARTになった。 HEARTも後に閉店し、1993年より昼は雑貨&洋品店「つるとかめ」、夜はBar「THE BAD BAR HEAVEN」の2業種店舗に。
        なお、1Fの店舗は以下の順で変遷。
        1. 焼鳥居酒屋「えんらく」 (1989年頃に閉店。住所表記:中央2-10-5-1F)
        2. 「居酒屋 伊達や」 (1990年〜1992年。住所表記:中央2-10-4)
        3. 「居酒屋 おやじ」 (1992年〜1993年。住所表記:中央2-10-5)
        4. 「城下町の洋食屋 ばくばく亭」 (住所表記:中央2-10-4)
            (1983年に別の場所でオープン。 10年後の1993年に松本市中央に移ってきた。 2007年10月21日閉店。 沖縄県中頭郡北谷町北谷1-12-13に移転して2008年2月19日に再オープン)
        5. 「洋食の店 ラガーアリス中町店」 (2008年3月29日〜。住所表記:中央2-10-4)
        6. 居酒屋 「とり好きな店 絶好鳥」 (2010年2月〜。住所表記:中央2-10-4)
        7. シチリア地方料理店 「Cucina Masanoliクチーナ マサノリ
            (2016年7月7日〜。住所表記が中央2-10-4から「中央2-10-17 北1F」に変更)

    • 渚バッティングスタジアム 
        松本市鎌田1-2-27。 俊介とミネさが喧嘩の後に寄ったバッティングセンター。
        撮影当時はバッティングセンターだけの施設だったが、後に増設された部分にビリヤード&ダーツ場「Kiss Shot」がオープン (その後「RAIL BIRD」→「ORANGE SQUARE」の順で改称)。 一方、バッティングセンターのみ2010年頃に閉業し、バッティングマシンのあったネットで囲まれていた部分は「(有)筒井不動産」が管理する月極駐車場に。
        2018年にはビリヤード&ダーツ場も閉業し、建物は「ライオンズクラブ国際協会 334-E地区キャビネット事務局」となった。

    • ほっかほっか亭 松本追分店 

        松本市桐3-1-19 プラザ信大北 1F。 トンダとトモがアルバイトをしていた弁当屋。 1997年に閉店し、その後は以下の順で変遷。
        1. 「ラーメンまえだ」 (1997年〜)
        2. ラーメン&オムライスの食堂 「しょうやん」 (1999年〜)
        3. ラーメン店 「まるなかや」 (2002年〜)
        4. 中華料理店 「運来楼ウンライロウ」 (2003年〜2016年10月25日)
            元々は1998年に松本市南浅間506-8で開業していた店だったが、2003年に移転して来た。
        5. 焼肉店 「昭和六九ろっく」 (2016年〜2020年春)
        6. ラーメン店 「山西刀削麺さんせいとうしょうめん」 (2021年4月〜2023年7月)
            看板メニューの刀削麺を北隣の中華料理店「龍華楼」に引継いで閉店。
        7. 「韓国食堂 マニマニ」 (2023年8月8日〜)

    • 信光石油(株) 松本城北SS 
        松本市開智1-1-12。 ミネさがアルバイトをしていた「出光」のガソリンスタンド。 後に俊介もここでアルバイト。 2022年10月31日に閉店。

    • 千代田生命保険相互会社松本ビルの最上階 
        松本市丸の内1-3。 俊介がアルバイトで半身を乗り出して窓拭きをしていたビル。 2005年にビルは取り壊され、平屋建て店舗の「ファミリーマート松本城前店」に。

    • ケンタッキーフライドチキン 松本店の2階の窓際の席 
        松本市中央2-1-1 東洋ビル1F&2F。 俊介、ミネさ、トモの3人がアルバイト代を持ち寄った店。 この店はテレビドラマ『白線流し』でも3回に渡ってロケ使用され、長瀬智也酒井美紀柏原崇らが来店した。
        2003年に周辺が区画整理され、東洋ビルの住所表記が中央1-6-1に変更された。
        2005年1月31日にケンタッキーフライドチキン 松本店は閉店し、同年4月25日より焼き鳥居酒屋「とり鉄 松本駅前店」に。 とり鉄もコロナウイルス感染拡大による影響で2020年4月18日より休業状態が続き、そのまま閉店。 同年10月2日からは居酒屋「みつぶ やさい巻き串」となった。

    • 松本市中央1-2-23 山平ビル前の道路 
        ミネさがバイクに乗りながらクラクションを鳴らして女子高生を呼んだ場所。
         

    • 松本城の堀沿い (松本市役所前の歩道) 
        ミネさと女子高生が会話するシーンで使用。松本城の太鼓門のそば。最寄りのバス停は「松本城・市役所前」。

    • アピナボウル 松本城山店 13番レーン (松本市蟻ケ崎1-6-21。 4人が遊んでいたボウリング場)

    • 郵便ポスト (丸型ポスト) 
        松本市丸の内3-12 「あるぷすの風法律事務所」(旧・長野県弁護士会 松本在住会)の前。 俊介、ミネさ、トモの3人が郷土提言賞の応募論文を投函した郵便ポスト。

    • コイケ楽器 駅前店 
        松本市深志1-2-8 NOVAビル1F&2F。 主人公4人が楽器を購入した店。 1992年2月に社名、および店名を「ミュージックプラザ オグチ」に改称。

    • 松本市宮渕2-7の坂道 
        「宮渕東」のバス亭がある坂道。 夕方に俊介とミネさが『ROLLIN' IN THE DARK』を歌いながら帰るシーンと、主人公4人が買ったばかりの楽器をリヤカーに乗せてミネさの家に運ぶシーン、そして俊介がライブ直前に走るシーンで使用。
        なお、映画よりはもう少し坂の上の方の位置ではあるが、田中美佐子主演の単発ドラマ『父と娘の季節』(1990年12月20日放送、日本テレビ)の、赤い4WDが走行するシーンにて、この同じ坂道が使用された。 また、この坂道には「全日本テコンドー協会」の元会長・金原昇の豪邸が存在することでも知られている。

    • 有限会社 百瀬豊建設 
        松本市島立しまだち1572。 ミネさの家として使用された。 後に取り壊されてしばらく更地になっていたが、2010年代に「(株)保険ビジネス」の本社が建てられ、住所表記は島立1573-1となった。

    • 社会医療法人財団慈泉会 相澤病院 
        松本市本庄2-5-1。 ミネさが搬送された病院。
        当病院はスピードスケート選手の小平奈緒が勤める病院として、2018年に有名になった。 また、小説家の夏川草介が勤務していたこともあり、当病院は夏川の小説『神様のカルテ』のモデルにもなっている。 そして『神様のカルテ (第1作)』が2011年に嵐の櫻井翔主演で映画化された際には、相澤病院でもロケが行われた。 この他、阿部寛主演の2006年の映画『アジアンタムブルー』でも使用されている。 更に当病院は、小泉孝太郎主演のテレビドラマ『病院の治しかた [ドクター有原の挑戦]』(2020年1月〜3月、テレビ東京)のモデルにもなっている。

    • あがたの森公園 
        松本市あがた3-1-1。 公園内にあるヒマラヤ杉の並木道が、俊介、トンダ、トモの3人が明け方に歩いた場所。

    • PARCO通り (現:公園通り
        「松本PARCO」のちょうど正面の位置が、俊介、トンダ、トモの3人が明け方に歩き、立ち止まって会話した場所。
        松本PARCOは映画の撮影当時、PARCO通り側にしか面していなかったが、1996年に倍の奥行きに増改築され、奥側の大通り(伊勢町いせまち通り)にも面するようになったため、当初はPARCO通り側が正面入り口だったが、改築後は伊勢町通り側が正面入り口、PARCO通り側が裏口となった。 これにより、映画に映っているPARCOの外観は、その後大幅に変わっている。 周辺の建物も様変わりし、映画では奥に見えている目印の「タイラ中央ビル」(松本市中央2-5-3)も2014年〜2015年頃に取り壊された。
        なお、松本PARCOが建つ場所や、目の前の通りの呼び名は元々、百貨店の「はやしや」(1956年〜1974年。デパート通り) → 「信州ジャスコ松本店」(1974年〜1981年。ジャスコ通り) → ジャスコの倉庫として使用していた期間(1981年〜1984年。旧ジャスコ通り)だった。 PARCOが開業した1984年8月以降は「PARCO通り」と呼ばれていたが、松本市中央西土地区画整理事業によってPARCOの真向かいに「松本市中央西公園 (愛称:花時計公園)」が出来てからは、「公園通り」で定着した。 また、松本PARCOは心霊スポットとしても知られており、屋上には霊を鎮めるための黒い祠が設置されている。 松本PARCOは2025年2月末で閉館予定。

    • nakagawa 
        松本市中央2-2-12。 女子高生が万引きの冤罪で捕まったレコード店。 伊勢町通り沿い。 跡地は1996年の増改築後の「松本PARCO」の敷地となった。

    • ゲームセンターUFO 深志店 
        松本市深志2-8-4。 ミネさとトモが遊んでいたゲームセンター。
        運営会社は「大平娯楽」。 安い料金で遊べた店で、他店(ナムコランドなど)ではゲームが1回100円の時代に、UFOでは50円でゲームが楽しめた。 また、市街地から少し離れていることから補導員があまり来なかったため、不良の溜まり場だった。 跡地には2階建てアパート「レオパレス天神」が2008年12月に建てられた。
        なお「ゲームセンターUFO」は当時、松本市内に2階建ての店舗(中央店。松本市中央1-9-37。後に区画整理で解体され、跡地は中央1-16-8の「松本経理ビジネス専門学校」と中央1-17-22の「みこしば皮膚科医院」の間を通る公道に)も存在したが、ロケで使用されたのは深志店。

    • (株)テレビ信州 本社 
        松本市丸の内4-18。 MIDNIGHT ANGELの入場無料ライブの会場「毎朝新聞ホール (毎朝新聞 松本支局内)」の外観・入場口として使用された。
        1979年12月3日創立。1980年10月1日開局。 2007年9月一杯で本社機能が長野市に移転した後は、同地は「(株)テレビ信州 松本支社」に改称された。
        なお、ライブ会場の館内(楽屋スペース、ホール)のシーンは全て、後日都内の別の会場で撮影された。

    • 松本城の天守閣 
        松本市丸の内4-1。 映画本篇には登場しないが、メイキングビデオ『BEST FRIEND』にて男闘呼組の4人が登った。


  • 温下長尾ゆたかしもながお県営住宅 東原ひがしはら団地 
      長野県南安曇郡三郷村温みさとむらゆたか(現:長野県安曇野市三郷温みさとゆたか。詳細番地は伏せる)。 外観、室内含め、俊介の家として使用された。
      なお、安曇野市穂高柏原の用水路「拾ヶ堰じっかせぎ」沿いにも同じ造りの県営住宅群があるが、そこを俊介の家のロケ地だとする一部ネット情報は誤り。
       

  • 豊科ちょう立豊科北中学校 
      2005年10月1日より「安曇野市立豊科北中学校」に改称。 長野県南安曇郡豊科まち(現:長野県安曇野市)豊科5558。 1985年4月2日開校。 前身中学は豊科町立豊科中学校。
      主人公4人が通っていた私立松本東学園高校として使用。 正面入口、下駄箱、北校舎2階の教室内、北校舎3階の廊下、応援団が練習している校庭、体育館、南校舎1階の校長室、北校舎2階から1階への階段、北校舎1階の準備室と廊下が使用された。
       
       
       
       
       
       

  • 豊科ちょう立豊科中学校 
      長野県南安曇郡豊科まち大字豊科(現:長野県安曇野市豊科)5670。 1985年3月をもって閉校し、既に廃校となっていた同中学校の校舎を利用して、主人公4人が通っていた私立松本東学園高校の屋上のシーンのみ撮影された。
      同中学校の跡地には、1992年4月18日に「豊科近代美術館」が開館した (住所表記は豊科5609-3。2005年10月1日より「安曇野市豊科近代美術館」に改称)。 2010年11月2日には安曇野市豊科交流学習センター「きぼう」が美術館と同住所に竣工し、1F部分を「安曇野市豊科図書館」として2011年2月11日に開館した。 そして中学校時代の番地「5670」は、美術館の右隣の「安曇野市豊科武道館柔道場」と「安曇野市豊科武道館剣道場」に使用されるようになった。

  • 長野県塩尻市 (主人公4人が溜まり場にしていた廃車置き場)
       

  • JR新宿駅の3番線ホーム 

  • 特急あずさ5号の車内 

  • 新宿LOFT (ライブハウス)
      新宿区西新宿7-5-10-B1F。 劇中バンド「CRIME」のライブ会場として、西新宿時代のLOFTが使用された。 1976年10月1日オープン。 キャパシティは300人。 設置スピーカーはJBL4550。 1999年3月17日に閉店。 その後は建物も解体され、高級マンション「ファーストリアルタワー新宿」に (番地は西新宿7-5-9に変更)。

  • 原宿

    • 表参道 

    • 竹下通り 

    • 代々木公園の渋谷門から野外ステージに通ずる歩道橋と、代々木公園脇の歩道 
        光GENJI扮する少年たちが歩道でローラースケートをしているシーンと、それを主人公4人が歩道橋の上から見ているシーンで使用。

    • 国立代々木競技場 第一体育館の南側の外周の石畳の遊歩道 
        主人公4人が明け方の遊歩道でいきなり『ROLLIN' IN THE DARK』を歌い出すシーンで使用。

    • 都内のライブスペース 
        MIDNIGHT ANGELの入場無料ライブの会場「毎朝新聞ホール (毎朝新聞 松本支局内)」の館内(楽屋スペース、ホール)のシーンで使用された。 なお、ライブ会場の外観・入場口のシーンは松本市の「テレビ信州」の社屋を使用。
         
         

    • (株)音響ハウス 
        レコーディングスタジオ。 東京都中央区銀座1-23-8 平凡商事音響ビル。
        映画本篇には登場しないが、当スタジオの「STUDIO NO.2」にて、映画の主題歌や挿入歌がレコーディングされた。 そしてその様子が、メイキングビデオ『BEST FRIEND』に収録されている。


    ※ お墓参りのシーンで使われた墓地は、原作上の本物のミネさが眠る墓地とは別。


受賞

  • 第12回 日本アカデミー賞 話題賞 (作品部門)
  • 第43回 毎日映画コンクール スポニチグランプリ新人賞 (男闘呼組に対して)
  • 第43回 毎日映画コンクール 音楽賞 (義野裕明に対して)
  • 第10回 ヨコハマ映画祭 作品賞
  • 第10回 ヨコハマ映画祭 監督賞 (長崎俊一に対して)
  • 第10回 ヨコハマ映画祭 最優秀新人賞 (男闘呼組に対して)
  • 第10回 ヨコハマ映画祭ベスト10 第1位
  • 第4回 キネマ旬報ベスト・テン 第4位


同時上映作品



イベント

  • 1988年2月18日(木曜日)16時より東京宝塚劇場にて、『ロックよ、静かに流れよ』の公開記念イベントとして、男闘呼組と光GENJIのジョイントミニコンサート「前夜祭だよ!男闘呼組&光GENJI」が行われた。 コンサートだけでなく映画『ロックよ、静かに流れよ』も上映された。 入場チケットは3,000円で当日券のみの販売。 2,500名の収容に対し、1万人の少女が当日売りのチケットを求めて東京宝塚劇場に押しかける騒ぎとなった。 そして学校をサボってチケットを買い求めに来た女子中学生8名が補導される事件も起こった。
       

  • 2019年5月10日、池袋HUMAXシネマズにて『ロックよ、静かに流れよ』の公開30周年記念特別上映会&トークショーが行われ、長崎俊一監督と、岡本健一が登壇。 そして岡本は、ステージの上で成田昭次のソロ曲『不良』と、男闘呼組の『LONELY...』をギターの弾き語りで披露した。 更に、「昭次にこのイベントのこと話したら、“懐かしいね。この映画ものすごい大好きで誇りに思ってる。みんなにヨロシク”って言ってました」と、成田との交流が続いていることも明かした。


エピソード

  • 俊介役を演じた岡本健一は、映画のクランクイン前に原作上の本物の俊介に会いに行っている。 しかし役作りに関しては岡本自身で考え抜き、新たなイメージの俊介を演じた。

  • 男闘呼組を含め、映画の撮影クルーが長野県での3週間の撮影中ずっと宿泊していたのは、1927年(昭和2年)にオープンした松本市街の古い温泉旅館「松本温泉 信州會館」(松本市大手2-9-4)。
    ジャニーズ事務所の原宿の合宿所での部屋割りと同じく、成田と岡本が「たちばなの間」、高橋と前田が「あやめの間」という組み合わせで分かれ、それぞれ2人部屋として宿泊していた。
    その後、オープンから77年経った2004年10月24日をもって、隣接していた映画館「松本東宝セントラル」と同時に廃業。 映画館があった場所は2006年8月1日より老人福祉施設「セントラル・ビオス」に、そして信州會館があった場所はセントラル・ビオスの駐車場となった。
    なお、映画の撮影当時、信州會館の近くにはプールバー「ビリヤードQ」(松本市大手3-3-3 武富士松本ビル3F。同ビルは2012年に解体されて「松本城大手門枡形跡広場」に)があり、男闘呼組の4人は毎晩のように通ってビリヤードで遊んでいた。

  • 『ロックよ、静かに流れよ』の特別前売券を東宝系映画館で購入すると、特典として男闘呼組のポスターが貰えた。

  • 芸能の神・弁才天を奉っている下目黒の霊雲山・蟠龍寺ばんりゅうじにて、男闘呼組4人で映画のヒット祈願を行った。 当日はお寺の境内にある音楽スタジオ「蟠龍寺スタジオ」にてコンサートのリハーサルも行われた。(『女性自身』1988年3月8日号より)

  • 映画の冒頭で岡本健一が読んでいる本が、当時不良少年の間でも非常に人気が高かった少女漫画『ホットロード』(紡木たく 著)。 そして成田昭次のシャイで硬派なイメージから、「『ホットロード』が成田の主役(春山役)で映画化される」という噂も1988年にファンや読者の間で出回った。
    また、岡本健一を慕っていた木村拓哉は、『ロックよ、静かに流れよ』を「穴が開くほど観た」と語っており、『ホットロード』を始めとする紡木たくの少女漫画を買い集めるようにもなった。 (『机をステージに』、『瞬きもせず』など)
    木村は『ジャニーズマガジン』(1998年10月号)でも、 「『ロックよ、静かに流れよ』はいいと思うよ。俺はあの映画を観てから男闘呼組が好きになったんだ。シーン的には凄く凝ってるとか感動的なところより、何でもない普通のシーンが好きだね。俺が18くらいの時やってみたかったなぁ」と語った他、 2019年4月14日放送のラジオ番組『木村拓哉 Flow supported by GYAO!』に岡本健一がゲスト出演した際にも、木村は当映画を「10数回観てる。カット割りとか覚えてます」と語った。
    香取慎吾も、「男闘呼組の映画『ロックよ、静かに流れよ』。これはいいよね。何回も見てるしSMAPはみんな好きよ。SMAPも『シュート!』をやったけど、メンバーの個性はそれほど出てなかった気がする。でも『ロックよ〜』は男闘呼組の個性が凄くよく出てたし、作品自体感動できた」 と語った。(『ジャニーズマガジン』 1998年10月号)

  • 主人公たちの憧れのバンドとして劇中に登場する「CRIME」はあくまでも架空のバンドだが、原作で主人公たちが実際に憧れていたバンドは、「THE MODS」である。 「THE MODS」は森山達也率いる博多出身のパンクバンドで、『激しい雨が』(1983年)などのヒット曲がある。
    なお、劇中でCRIMEの歌声として使用されているボーカル音源(『ROLLIN' IN THE DARK』、『ルート・17セブンティーン』)は、成田昭次のもの。

  • 基本的にダンスレッスンしか行わないジャニーズ事務所の独特の教育体制についてジャニー喜多川は、「ダンスをしてリズム感を養えば、歌も演技も自然と出来るようになる。 そして、映画『ロックよ、静かに流れよ』を観て素直に感動できる心を持っていれば、それだけでもう充分役者になれる」と述べている。

  • 劇中で度々登場する独特な動きの握手 (CRIMEの握手)は、1987年2月21日に日本で公開された洋画『クロコダイル・ダンディー』の59分目辺りの酒場のシーンで、主人公と黒人が握手をする際の動きをアレンジしたもの。
       
    なお、『ロックよ、静かに流れよ』の劇中で披露されたアレンジ版の握手の動きは、ジャニーズアイドルに憧れていた綾小路翔のアイデアによって、氣志團の4thシングル『SECRET LOVE STORY』(2003年10月29日発売)のMVで完全コピーされている。 綾小路翔が作詞した同曲の歌詞には、「Midnight Angel」の単語も登場する。
    また、氣志團の所属事務所(担当部署)の名称も、男闘呼組と、漫画『魁!男塾』を掛け合わせて、「オフィス男闘呼塾エンターテインメント」となっていたり、氣志團の別名義ユニット「木更津プラスティック少年帯」の名前は、男闘呼組のラストシングル『TOKYOプラスティック少年』と、大槻ケンヂのバンド「筋肉少女帯」がきっかけとなっていたりと、非常にオマージュが多い。

  • メイキングビデオ『BEST FRIEND』の開始18分目辺りでスタッフが食事をしているシーンがあるが、そこに当映画の製作デスクをしていた飯島三智(後にSMAPのチーフマネージャー)が映り込んでおり、前田耕陽から「みっちゃん!」と呼ばれている。

  • 私設ホームページ「日本映画街フォーラム」での年度別映画ランキングにて、ノミネートされた1988年公開の邦画50作品の内、『ロックよ、静かに流れよ』が第7位に選ばれた。[1]

  • 2020年8月12日に発売されたGLAYの58thシングル『G4・2020』の収録曲『ROCK ACADEMIA』の歌詞の中に、「ロックよ静かに流れよ」というフレーズが登場する。 作詞者はGLAYのHISASHI。 HISASHIは2022年10月15日に東京ガーデンシアターで行われた男闘呼組の再結成ライブも、GLAYのTAKUROと共に観に行っている。

  • 2023年5月6日に男闘呼組の後身バンド「Rockon Social Club」がコンサートをした際、成田昭次が「ミネさです!」と自己紹介した。

  • トリビア
    1. 意図的な演出なのかもしれないが、高橋一也演じるトンダから「おばちゃん!シャケ弁ひとつ!」と指示された弁当屋の女性店員(青木和代)が、ありえない量のご飯をよそっている。
    2. 劇中のミネさのセリフ「おつまみもあるでよ!」の「あるでよ」は、長野県の信州弁ではなく、ミネさを演じた成田昭次の出身地である名古屋の方言。 また、徳島県の阿波弁でも使用されている。 この方言は世間でも一度流行しており、そのきっかけは、1969年のオリエンタル「スナックカレー」のCMで名古屋育ちの喜劇俳優・南利明が言ったセリフ「ハヤシもあるでよ」だった。 2023年4月12日からオンエアが開始された日清食品「カップヌードル シンガポール風ラクサ味」のCMでも、MAXのREINAが「トムヤムクンもあるでよ」と言ってオマージュしている。
    3. 前田耕陽演じるトモがレコード店で万引きしたLPレコードの数は4枚だが、それを薄川の河原で投げているシーンでは少なくとも12枚のレコード盤が確認できるため、枚数が合っていない。
    4. ライブの直前、俊介が楽屋に居る際は左手には何も着けてないが、楽屋を飛び出した直後には左手に黒革のグローブが着けられている。 これは、楽屋を飛び出した後のシーンは松本市で事前に撮影され、楽屋のシーンは後日都内で撮影したために生じてしまった誤差である。


書籍

  • 『ロックよ、静かに流れよ』 (原作本。吉岡紗千子 著。1984年7月。こみち書房)
       
  • 『ロックよ、静かに流れよ PART 2 〜 人間ってやり直せるんだね ミネさ!』
      (吉岡紗千子 + 径書房編集部 編。1988年8月。径書房。
       原作本を読んだ読者から寄せられた感想文集)
       
  • 月刊誌『シナリオ』 (1988年3月号。シナリオ作家協会)
      映画台本と、製作:増田久雄による製作ノート「光と影の調和」を掲載。
  • 月刊誌『キネマ旬報』 (1988年3月号。キネマ旬報社)
  • ’88 年鑑代表シナリオ集 (編纂:シナリオ作家協会。1989年4月。映人社) 映画台本を掲載


ソフト

  • 『ロックよ、静かに流れよ』 (VHS・Beta・LDの3種。1988年10月。東宝ビデオ)
      ファンたちによってDVD・Blu-ray化を切望する声は多数あるも、ジャニーズ事務所がOKを出さず、実現されていない。
        

  • 『BEST FRIEND』 (VHS。映画のメイキングビデオ。1987年12月16日。ポニーキャニオン)


関連項目








作成日:2013年3月3日

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