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安達明

  
 


安達 明(あだち あきら、本名&旧芸名:長田晴夫、1948年9月4日 - 2011年5月20日)は、福岡県北九州市八幡西区本城生まれ、千葉県育ちの元・青春歌謡歌手。 愛称:アキ。 62歳没。 兄弟は兄が一人。
あまり知られてはいないが、初代ジャニーズのメンバーであった。


 


所属事務所

  1. 新芸能学院 「芸研ジャニーズ」 (1962年〜1963年)
  2. 国際アートセンター (1963年〜1968年)


来歴

  • 1948年9月4日に、福岡県北九州市八幡西区本城にて八百屋の息子として生まれる。 歌謡曲ファンだった父親に、流行歌手・岡晴夫から引用して「晴夫」と名付けられた。 その後、千葉県に転居。

  • 13歳より、作曲家・編曲家の小杉仁三の下で週に1回、歌のレッスンを受ける。

  • 1962年3月1日、中学1年の終わりに、TBSテレビ『10人抜きのど自慢』の初回放送にて、初代チャンピオンとなる。 その後、破れてチャンピオンの座は降りたが、間もなくしてジャニー喜多川より、
    「長田くん、君の歌をきいて、すばらしい才能に驚きました。私は日本に立派なミュージカル・チームを作るため少年達を集めて養成しています。是非、遊びにいらっしゃい。もし良かったら、君も仲間に入りませんか」
    と書かれた手紙を貰い、スカウトされる。 そして「芸研ジャニーズ」にて、初代ジャニーズのメンバーと共にレッスンを受けるようになった。
     
    (後にジャニーズの面々と再会した際の記事。『月刊明星』 1964年12月号 「スター同士の秘められた友情」より)

  • 1963年1月、中学2年の終わりに長田もジャニーズのメンバーとなり、5名で「日劇ウエスタン・カーニバル」に出演。 伊東ゆかり(当時:伊藤ゆかり)の『ロコモーション』のバックダンサーを務めた。

     (左から、青井輝彦、飯野おさみ、長田晴夫)

    しかしその後、長田は“あること”が理由でジャニー喜多川から離れ、芸能事務所「国際アートセンター」に所属して青春歌謡歌手の道を目指すようになった。

  • 中野区城山町(現在の町名は中野区中野)のアパート「鈴木荘」で兄と2人で暮らしながら、高校1年の1964年5月20日、「安達 明」の芸名で、遠藤実の作曲によるシングル『潮風を待つ少女』にて日本コロムビアよりレコードデビュー。 続いて同年8月に発売された2ndシングル『女学生』が大ヒットとなった。
    芸名の由来は、雑誌『女学生の友』に連載されていたジュニア小説『潮風を待つ少女』(佐伯千秋 著、集英社)の登場人物“安達明”から。 デビュー曲のタイトルも同小説と同じ名前。 橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦の「御三家」に続く歌手「二代目 御三家」(安達明、梶光夫、久保浩)として、女学生たちの間で人気を博した。
    やがて、雑誌の表紙を飾ったり、住まいも中野区から参宮橋の近くへと移っていった。

      『ジュニア・スクール・モード集』(『女学生の友』1965年3月号付録冊子、いしだあゆみと)


      『週刊マーガレット』(1965年7月4日号、寺尾真知子〔後の宝塚女優・北原千琴〕と)

  • 7枚目のシングル『昭和少年ぶし』の頃までは勢いもあったが、その後徐々に低迷し始め、1968年に芸能界を引退した。 所属していた日本コロムビアでは、未発表曲を含めて計37曲の録音を残した。

  • 芸能界引退後は、本名の「長田晴夫」名義でエレクトーン奏者となり、池袋などで弾き語りライブをした他、銀座7丁目の地下のスナック「ぎんざ 千倉ちくら」(2019年8月に閉店)での弾き語り活動を経て、同じく銀座7丁目でクラブ「みずき」を経営。 同時に兄の建設会社で役員もしていた。 また、しばしばテレビ番組に招かれ、歌を披露することもあった。
    更にその後は、千葉県市川市に住みながら、再び銀座のスナック「ぎんざ 千倉ちくら」で弾き語りをしていた。

  • 2011年5月20日に逝去。 62歳没。 しかしその訃報はメディアでは報じられなかったため、死因は不明。
    同年7月、千葉県松戸市の霊園「サニーパーク松戸」の6区に安達の墓が建立される。 戒名は「康寛晴徳信士」。 行年は「誕生日+1ヶ月と20日で1歳」の換算方法が用いられ、「六十三歳」と彫刻。 小さな黒い墓石には、安達の最大のヒット曲である2ndシングル『女学生』の冒頭の歌詞 「うすむらさきの藤棚の 下で歌ったアベ・マリア」 の文字が彫られている。


人物

  • 趣味 - バイク

  • 好きな食べ物 - シュークリーム、ハンバーグ
      好きだった飲食店は、1964年11月に赤坂のTBS会館(2003年に解体)の中にオープンしたアメリカンスタイルのレストラン「Top's」。 そこでオープン当時に出されていた大きなハンバーグがお気に入りだった。

  • 好きな色 - 白、青

  • 嫌いな色 - 黒 (自分に似合わないから)

  • 好きな花 - ピンク色のカーネーション

  • 長所 - 素直で優しい

  • 弱点 - 方向音痴

  • 自分の体で気になる所 - 歯並びの悪さ

  • 顔が似ている有名人 - アキラ100%、陣内智則など

  • 高校は、かつて杉並区大宮にあった男子校の私立高千穂高等学校出身。 高校の同級生にはトニー谷の長男・大谷正美が居た。 そして3学年後輩には、トニー谷の次男であり、「アウト・キャスト」や「ハイ・ソサエティー」のメンバーにもなった大谷克己が居た他、逆に3学年先輩には、「ジャッキー吉川とブルー・コメッツ」の三原綱木も居た。

  • 北海道出身の女性と結婚。 1974年9月15日に長男をもうけ、「安達明」の芸名の由来であるジュニア小説『潮風を待つ少女』の作者「佐伯千秋」と、「明」の文字を掛け合わせた名前を付けた。 その長男は、埼玉県吉川市にてイタリアンレストラン「ピッツァ&パスタ affettoアフェット」を2011年にオープン。 同店では、亡き安達を偲んでファンの集い「青春歌謡を聴きながらイタリアンを楽しむ夕べ」も2012年3月23日に開催されたが、長男は椎間板ヘルニアのために2012年9月で店から退き、以降は知人に店を任せていたが、翌2013年に閉店となった。


その他

  • 大阪の某ゲイバーのママが、「自分は九州出身で元芸能人の安達明である」と称して営業し、『エンカメ』、『ちちんぷいぷい』、『胸いっぱいサミット!』、『玉ちゃんの人生酒場 〜唄は夜につれママにつれ〜』など、数多くのテレビ番組に堂々と出演したり、オンエアには乗らなかったが三重テレビ『夢・元気人』のライブショーにも出演してステージで歌を披露していた。 しかしこれは安達の名をかたった偽者である。
    また、安達はグラフィックデザイナーに転身して1995年4月3日に都内で広告代理店を設立したという情報も存在するが、これも安達の本名と同姓同名なだけの別人である。

  • 2019年4月13日放送のラジオ番組『徳光和夫 とくモリ!歌謡サタデー』(ニッポン放送)に、ムード歌謡漫談家のタブレット純がゲスト出演した際、「タブレット純がセレクトするおすすめのジャニーズ歌謡」として、安達のデビュー曲『潮風を待つ少女』と、飯野矢住代が作詞したザ・スパイダースの『なればいい』を紹介し、非常にマニアックな選曲ぶりを見せた。


主な出演作品

バラエティ番組

  • バラエティーショー 「お正月がやってくる」 (1964年12月31日、NHK総合) 高橋元太郎も出演
  • お笑い三人組 「名古屋の恩師の巻」 〜名古屋愛知文化講堂から〜 (1965年7月20日、NHK総合)
  • モダン寄席 (1965年8月7日、14日、28日、NHK総合) 安達は歌を披露

歌番組

  • 歌のグランドショー (1964年7月19日、NHK総合) 『潮風を待つ少女』を披露
  • ひるの歌謡曲 (1964年8月11日、NHK総合) 『潮風を待つ少女』を披露
  • ひるの歌謡曲 (1965年1月5日、NHK総合) 『女学生』を披露。 梶光夫も出演。
  • あなたのメロディー 〜NHK音楽祭 第2回新作歌謡まつり 予選 第2夜〜 (1965年2月20日、NHK総合)
  • NHK音楽祭 「軽音楽の夕べ」 第2回新作歌謡まつり 〜産経ホールで録画〜
      (1965年3月20日、NHK総合) 『きっとどこかに青空が』を披露
  • ひるの歌謡曲 (1965年3月23日、NHK総合) 『春を待つ少女』、『僕のカーネーション』の2曲を披露
  • あなたが選ぶのど自慢 〜石川県羽咋郡高浜町公民館で録画〜 (1965年3月28日、NHK総合)
  • リズムにのって (1965年4月9日、NHK総合) 『僕のカーネーション』を披露
  • あなたのメロディー (1965年4月25日、NHK総合) 『高校生』を披露
  • ひるの歌謡曲 (1965年5月4日、NHK総合)
  • 歌のグランドショー (1965年7月4日、NHK総合) 『友情』を披露
  • ひるの歌謡曲 (1965年7月27日、NHK総合) 『昭和少年ぶし』を披露
  • 新春若人の歌 (1968年1月1日、NHK総合) 『悲恋』を披露
  • 総決算 ’85 懐かしの歌謡曲 リクエスト競演! (1985年) 『女学生』を披露
  • 総決算 ’86 懐かしの歌謡曲 リクエスト競演! (1986年) 『女学生』を披露
  • 他多数

映画

  • われら劣等生 (1965年3月13日、松竹) 清水哲夫役
      映画パンフレットの制作・販売は無し。
      衛星放送「スカパー!/チャンネルNECO」で一度だけ放映。 その後、その放送分が「’60シネマ・コレクション」シリーズの一つとしてDVD化された。
       
      (田村正和と)

  • 馬鹿っちょ出船 (1965年8月21日、松竹) 三郎役
      映画パンフレットの制作・販売は無し。
      2010年12月7日に「青春歌謡映画傑作選」シリーズの一つとしてケイメディアからDVD発売。
       
      (都はるみと)


ディスコグラフィ

シングル

  1. 潮風を待つ少女 c/w 海の虹 (1964年5月20日)
  2. 女学生 c/w 夕焼けの丘 (1964年8月)
      安達にとって最も売れたシングル。 A面曲は森昌子が2ndアルバム『中学三年生』(1973年)にてカバー。 B面曲の作曲は、安達を13歳の頃から歌唱指導していた小杉仁三。
  3. 友情 c/w 赤いカンナが咲いていた (1964年10月)
      A面曲のコーラス:ルナ・アルモニコ (日本コロムビアの女性コーラスグループ)
  4. 春を待つ少女 c/w エミーの肖像 (1964年12月)
  5. 僕のカーネーション c/w 明日と握手 (1965年2月)
      B面曲は、ABCラジオの音楽番組『クレハ・ホームソング』内で制作された楽曲。
  6. 学園のハムレット c/w 君の涙を忘れない (1965年)
  7. 昭和少年ぶし c/w さよならは美しく (1965年)
  8. さんざしの花咲けば c/w 夕焼け雲と母とぼく (1965年)
      舟木一夫が1967年8月にシングル『夕笛』のB面曲としてリリースした『さんざしの花咲けば』は同名異曲。
  9. 初恋 c/w コバルトの海 (1965年10月)
  10. 十七才のブルース c/w 風の町かど (1966年2月)
  11. 涙のむこうに c/w 夕顔の人 (1966年6月)
  12. 蒼いカシオペア c/w 仲間に会うまで (1966年9月) 「安達明とザ・フェニックス」名義
      ザ・フェニックスのメンバーは、安達が通っていた高千穂高校の同級生たち。 1967年10月1日に結成し、翌1968年1月20日に寺内タケシの事務所「寺内企画」からバニーズの弟分バンドとしてシングル『恋するラ・ラ・ラ』でデビューした同名の6人組カルトGSグループ「ザ・フェニックス」とは無関係。
  13. 悲恋 c/w あの娘の名前はしあわせクン (1967年10月)
      A面曲は、設定、歌詞、イントロの曲調とも、美樹克彦『花はおそかった』(1967年3月発売)のパクリ。 歌唱法も、布施明『霧の摩周湖』(1966年12月発売)の模倣だと言われている。

4曲入りEP

  1. 安達明と僕のカーネーション (1965年)
      僕のカーネーション / 春を待つ少女 / 学園のハムレット / 昭和少年ぶし

10インチレコード

  1. 安達明のヒット・ショー (1964年)

       

ソノシート

  1. アンコ椿は恋の花 (あいさつ入り) c/w 女学生 (あいさつ入り)
      非売品ソノシート。『アンコ椿は恋の花』は都はるみの曲。 『女学生』が安達の曲。 共に本人による挨拶コメント入り。
  2. アキのヒットソング 安達明特集 (1965年春、4枚組)
    • 女学生 c/w 潮風を待つ少女
    • 友情 c/w 赤いカンナが咲いていた
    • 僕のカーネーション c/w 春を待つ少女
    • 明日と握手 c/w 夕焼けの丘

ベストアルバム

  1. CD文庫 1800 安達明 女学生 (1994年9月21日)
      2010年11月22日にCD-R仕様のオンデマンドCDとして復刻。

       

  2. コロムビア 青春スター 梶光夫・安達明・有田弘二
      (2011年2月10日、通販限定7枚組CD-BOX、定価:1万5,000円)

       

  3. 安達明 ゴールデン★ベスト (2012年2月1日)

       

オムニバスアルバム

  1. ステレオ コロムビア歌のハイライト (第6集) (1964年12月、LP)
      『潮風を待つ少女』を収録。
  2. 想い出の青春歌謡全集 6 「青春の城下町/高原のお嬢さん」 (1989年)
      『潮風を待つ少女』、『女学生』を収録。
  3. 懐かしの青春讃歌 (1990年、10枚組CD-BOX)
      Disc 1に『女学生』、Disc 5に『潮風を待つ少女』を収録。
  4. 青春歌謡メモリアル 青春歌謡グラフィティ (1990年11月21日)
      『女学生』を収録。
  5. 歌謡曲黄金時代 12 柔 (1991年)
      『女学生』を収録。
  6. 恋すれど廃盤 ベストコレクション Disc12 白いサンゴ礁 (1992年3月26日)
      『女学生』を収録。
  7. 20世紀の軌跡 アイドルの時代 前半史 (4) 女学生〜白馬のルンナ (1999年12月18日)
      『潮風を待つ少女』、『女学生』の2曲を収録。
  8. コロムビア・アワー 歌謡ヒット・パレードX 高校三年生 (2005年5月18日)
      『潮風を待つ少女』、『女学生』の2曲を収録。
  9. ザ・ベスト 青春歌謡のすべて 〜高校三年生〜 (2012年3月21日)
      『潮風を待つ少女』、『女学生』の2曲を収録。
  10. 決定盤 ! ! 懐かしの青春歌謡 ベスト30 (2014年5月16日。2枚組CD)
      Disc 1に『女学生』を収録。
  11. みんな愛した学園ソング 〜太陽がくれた季節〜 (2019年2月20日)
      『女学生』を収録。

レコーディングしたが発売されなかった楽曲

  • 僕のこと愛してごらん
      安達の代わりに有田弘二が1966年にシングルでリリースした。
  • 赤いリンゴの並木路
      安達の代わりに有田弘二が1966年にシングル『僕のこと愛してごらん』のB面曲としてリリースした。
  • 星を下さいこの僕に
    以下の6曲に限り、2011年2月10日発売の通販限定7枚組CD-BOX『コロムビア 青春スター 梶光夫・安達明・有田弘二』(定価:1万5,000円)にてCD化された。
  • 銀座の少女 (録音:1965年2月)
  • 父母よ (録音:1965年5月)
  • 真白き富士の根 (七里ヶ浜の哀歌)
  • 僕の両手にさあおいで
  • 恋の貝がら
  • 君がいなければ


書籍

関連書籍

  • タブレット純のエレジー・エナジー歌謡曲 〜暗い歌こそ、生きる力〜
      (タブレット純 著、2018年10月、ヤマハミュージックメディア) 安達の楽曲『海の虹』を紹介

雑誌

  • 週刊新潮 (2020年4月2日号、新潮社)
      連載コーナー「タブレット純の「昭和歌謡」残響伝」にて、安達のシングル『女学生』が紹介された。


外部リンク








出典:フリー百科事典『ウィキペディア (Wikipedia)』より改訂
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